2016年2月16日火曜日

「日常が楽しくなる!?次世代避難訓練」 スサノヲ現場訪問@防災ガールの現場

1月末、二子玉川で開催された
スサノヲメンバー防災ガールさんの現場に訪問。


防災ガール http://bosai-girl.com/ は
「身近な人を助ける意志のある女の子」を増やすために
地味で、ダサいこれまでの防災を
おしゃれで楽しいものにプロデュース。

若い世代の防災意識と知識を高めています。

今回はスサノヲ一期デモデイでも提案され
「次世代版避難訓練」の現場へ!




これは、従来の避難場所が決まっているような
型どおりの避難訓練とは根本的に違い
「イングレス」https://ja.wikipedia.org/wiki/Ingress
という位置情報を利用してリアルとオンラインが融合した
アプリコラボして実施。

参加者自らがゲーム感覚で主体的に動いて
学ぶことができるようになってます。

イベント名は「次世代版避難訓練LUDUSOS(ルドゥオス)」
→http://new-hinankunren.strikingly.com/

3月13日に行われる本番のプロトタイプとして
関係者だけで行われました。

場所はニコタマ
ライズタワーにある東京都市大学さんのキャンパスです。



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会場につくと、防災ガール(一部ボーイ)たちの
元気な出迎えをうけ、受付を済ませます。

参加者10名程度があつまり、しばらくすると、説明のスタート

イングレスさんとのコラボということもあり、場の趣旨を説明する
ムービーやBGMなどもかっこいい。

まるでRPGゲームを始める前のようにワクワクしてきます。

「これが防災訓練になるのか!?」

と思っていると、しっかり、
ニコタマ地区で大規模な地震災害がおきた場合の
被害想定などが、説明されました。さすが、、、

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参加者は事前にイングレスアプリをダウンロードしておいて、
当日はイングレス内に設定された「防災ガールの特別ミッション」に挑みます。

ちなみに、私はスマホを持っていないので(汗)
スサノヲチームのみんなとともに行動することにしました。

制限時間内に、ミッションをクリアして、戻ってくることを告げられ、
各チームごと建物のそとに小走りにむかっていきます。

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あるミッションを選択した私たちのチームは
ニコタマの河川敷へむかいました。

途中、に近づくと自動的にアプリから「防災知識に関するクイズ」が
提示され、それに答えながら、歩を進めます。

川を目の前にして、
その川が実際に氾濫したときにどうすべきか?といった
質問をうけることで、感覚と知識が結びついていくので、
楽しみながらまた実際に使える知恵になっていくところが面白い。

これなら子供や家族でも楽しみながら
実践で役立つ防災知識を学ぶことができます。



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今回はショートバージョンなので30分ほどで一つのミッションを終了
会議室に再び終結します。

ここで今度は街を実際に歩いてみたうえで見えてきた
「防災観点」からの町の良い点、改善が必要な点を
チームごとにブレスト形式で挙げていきます。

互いが体験したことを言語化し共有する。
こうして複眼的に学びが広がっていくのも面白い。

これなら防災知識が
「学ばなければならないもの」から、「学びたいもの」に変わります。



本当によく考えられている場だと驚きました!

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今回個人的には

防災知識はつまるところ
「自分の周囲の環境について知ること」だと知りました。

「自分が普段何気なく歩いている道」


「近くの公園」や「水場」はどこにあるか?
「周囲の建物」などの特徴(例えば頭上に看板がいっぱいあって危ないとか。)
といったことについてよく観察し、知っていくことです。

こういった知識や視点を持つことが
いざという時に役立つのはもちろんですが
意外なことに、これらの知識を蓄えることで
日常の景色も鮮やかに変わっていくのです。

わたしにとって馴染みのないニコタマ駅周辺も
わずか数十分、特別な意識をもって観察したことで
「よく知っている特別な場所」になりました。

これは実際に体験してみないとわからないと思いますので
興味を持った方はぜひ、今回のプロトタイプを経て
磨かれた3月13日の本番にぜひ参加してはいかがでしょうか。
http://ludusos.peatix.com/view


田中さん、防災ガールの皆さん
貴重な体験をありがとうございました!

2016年2月10日水曜日

「2月14日はふんどしの日!」 スサノヲ現場訪問、日本ふんどし協会@小田急百貨店

2月9日、スサノヲ3期メンバーの
日本ふんどし協会、中川さんの現場に伺いました。

中川さんは、ご自身がかつて体調を崩したあと、
ふんどしに出会ったことで、体の調子がみるみる回復。
「こんないいものがあったのか!」との原体験があります。

だから、一人でも多くの人に
「ふんどし」を使ってほしいということで

日本ふんどし協会を立ち上げ、自社ブランドだけでなく、
日本各地のふんどしメーカーの皆さんとともに、
「ふんどし」市場を創ろうと取り組んでいらっしゃいます。


今回は、きたる二月十四日(ふんどしの日)に向けて
チョコよりふんどしを送る文化を根付かせるために展開してる
新宿小田急百貨店さんのイベントスペースに伺いました。
→http://www.japan-fundoshi.com/archives/96
  
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ところで、ふんどしというと
わたしは博多祇園山笠でおっちゃんたちが使っている
ごっついものをイメージします。



だけど、ここ小田急さんの売り場には
女性や子供さん専用のふんどしもあり、
色もデザインも洗練されていて、
正直、ふんどしの売り場とはとても思えません。


中川さんによると、この売り場は、四年前の
この時期はチョコレート売り場だったとのこと。

それを、小田急さんの熱意ある方々と、
中川さんの情熱で、いまでは、色鮮やかでデザインもカッコいい
ふんどしで埋め尽くされているのです。

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しばらく売り場に立って観察していると
面白いなと思ったことが二つあります。

一つはリピーターの方が多いこと。

「以前に使ってみてから体調がよくなったから、
今度は新しいものと、家族にプレゼントしようと思って」
という話をされている方が、私のいるわずか20分足らずの間に
お二人いました。

そして、もう一つの驚きは女性のお客さんが多いこと。




意外だったのですが、リピーターの方も含めて、
ふんどしを求めるお客さんの多くが女性だったのです。
女性が使い始めて、男性にプレゼントすることで、
初めて使用されることも多いようです。

だから、女性が男性にプレゼントする日
2・14ふんどしの日が重要なんだそうです!

この日、わたしも自分用に購入したので、その体験記はまた後日。

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中川さんご自身の原体験から生まれる
「ふんどし」への熱い情熱が、新しい文化を生み出そうとしている。

これもスサノヲとしてはぜひ応援していきたい
新たな挑戦のあり方だと思っています。


今回の売り場は2月16日まで
同時に、ふんどしの日に合わせて、
江ノ電さんともコラボ企画が動いているので、そちらもぜひ。


中川さん、貴重な体験をさせて頂きありがとうございました!


2016年2月1日月曜日

薬物依存、社会の真っ暗な一隅を照らす困難。 SUSANOO現場訪問⑤、DOUGUBAKO

16年1月中旬、SUSANOO三期メンバー
DOUGUBAKOさんの現場に訪問しました
DOUGUBAKOのメンバーは看護師で、普段、新宿区のクリニックにて
薬物依存症の方々のデイケアサービスを行っています。
彼らはこの仕組をどうにかして、持続可能なものにしようと奮闘中。

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私達がお邪魔したのは、その新宿にあるクリニックです。

このクリニックは精神科のお医者さんだそうです。

そして、このクリニックに併設するカタチで、
日本ダルクさんという薬物依存症から抜けだそうとする人々の
自助組織がオフィス兼、ワーキショップ会場を構えています。

さらに、同じくビルの地下にはDOUGUBAKOのメンバーが
携わっている薬物依存症患者さんむけのデイケア施設が
整っているのです。

まずは、地下にあるデイケア施設に伺わせて頂きました。

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地下にある施設ですが、天井が高く
バスケットゴールなど運動用具もある広いスペース。
その奥に、幾つものソファやテーブルが並ぶ、部屋があります。
部屋の中には、見た感じ40代以上のおじさんばかり。
みなさんテレビを眺めたり、書き初めのようなことをされたり、
思い思いに過ごされていますが、お互いの会話が
積極的に行われている感じではありません。

DOUGUBAKOのメンバーによると、
日中どこにも行き場がない人達が、この場で時間を過ごすとのこと。
予想外に自由な雰囲気に、

「何か社会復帰プログラムとかそういうのはやるんですか?」

と聞くと、

「彼らの抱えている背景はあまりにも複雑で、
そもそも人に正直に話をすることすらできない。
だから、ここではまず、何かを強制させるようなことはせず、
自分がやりたいことを、やりたいときにやっていいんだよ。
と受け入れることから始めています。」

という答えを頂きました。

「薬物依存の方が、ちゃんと社会復帰する割合ってどんなもの?」

と聞くと、

「はっきりとはわからないけれど、
実際は2割もいないんじゃないでしょうか。
ここにいる人もある日突然来なくなったりするし。
結局、また薬に走ってしまったりすることになる。」

という答えを頂きました。
このデイケアの場は、薬物依存症患者さんの
セーフティーネットとしての役割を担っているのです。

「あの、写真を撮っても大丈夫ですかね?
この場の様子がわかればいいんです。患者さんの
顔は入らないようにしますが・・・」

「ありがとうございます。いろんな方が見学に来ますが、
そんな風に配慮される方は本当に稀なんですよ。」

との回答にも、またこの場、この問題に対する
社会の姿勢を垣間見ることになりました。

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続いて、併設する日本ダルクさんのオフィスへ。
スタッフの方ももと薬物依存症とのこと。

まず、お話を伺って驚いたのは、
「普段が100だとして、温泉に入って嬉しいとか、楽しいとか、
美味しいもの食べたとか、そういうので、110、とか120とか
快楽を感じるんです。しかし、薬物では、これが、一気に
1000とかいう快楽になる。ケタが違うんです。だから、
怖いんです。」

ということ。さらに、
「その気になったら10分くらいで覚せい剤は手に入ると思いますよ」

「でも、結構高価なものなんじゃないですか?」

「いや、その気になれば、タダでも手に入ると思いますよ。」

「え!?そうなんですか?」

それ以上詳しくは、伺いませんでしたが、
それほど、私達の身近に薬物は出回っているらしいのです。
さらにスタッフの方のお話で印象に残ったのは、
薬物依存症患者のみなさんの繊細さ、です。

「本当に些細なことなんですけど、
ある飲食店で、注文したものが出てこなかった。
だけど、私はそれを店員さんにいうことが出来なかったんです。
勿論、代金にはその分も含まれていて、支払いました。
そしてお店を出た後に、自分自身を攻めるんです。
どうして、『ちゃんと言わなかったんだ!』ってね。
こんな些細なことでも、自分自身にとっては
大きなストレスになっていく、そしてまた
一番安易な解決策としての薬へとたどり着くんですよ。」

このような小さな悩みは、どんな人間でも
多かれ少なかれ抱えていたりしますよね。
違いは、それにどこまで敏感に向き合うか?

彼らの繊細さに対して、如何に自分自身は鈍感か。
考えてみれば、ある種の鈍感さは、システム重視の
現代社会を生き抜くうえでは、必須のような気もします。
その鈍感さを持ち合わせない繊細な人々が、
ときに薬物依存というカタチで、システムの外に出て行く
とも考えられるのではないでしょうか。

そんな薬物依存からの脱出を心から望む患者さんたちは、
ここで、互いの思いを吐露するセッションを行っています。
20代から50代くらいの男性15名ほどが、輪になって、
それぞれ御自身の心情をとつとつと語ります。
周囲の方々は、ただただ、それを聞いている。

こういった場を通じて、
「自分は一人ではない」ということを実感することが、
薬物依存から立ち直るための大きな支えになるそうです。

これも、同じだなと思いました。
薬物依存であってもなくても、
自分のことをわかってくれる誰かがいることは大事。
そして、その存在が自分自身を救ってくれる。

そうやって考えていくと、
薬物依存の患者さんと、彼らが復帰に向けて集まるこの場は
社会の最も敏感な部分のように見えてきました。

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とはいえ、ここは本当に先の見えない現場です。
薬物依存の方は次々に増えていき、一方で、
どれだけ時間をかけても、依存から抜けきることができるかは、
本人次第。そして、誘惑は無数に広がっているのです。

さらにこの問題が難しいのは、「自己責任論」を免れない点と、
「社会復帰」というゴールが限りなく遠い点です。
患者さんの一部にはそもそも家庭環境などから、
十分な教育も受けずに来た方もいらっしゃるそうで、
ゆえに、薬物依存から抜けだしても、ベーシックな働く力がない。

この問題の奥深さは、私達の社会がかかえる
深い深い闇へと直結している、そう感じています。

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この問題の解決策を考えるのは、
決して容易ではないと思いますが、
まず、現時点でこの闇に光を当て続けている、
DOUGUBAKOや日本ダルクの皆さまには頭が下がります。
みなさま、有難うございました。