2015年6月21日日曜日

⑥ソーシャルスタートアップならではの難しさ2 「インパクトが可視化しづらい」

前回に続き、ソーシャルスタートアップならではの難しさについて。
2つ目はインパクトが見えづらい、あるいは見せづらいという点です。


もともと、利益の最大化ではなく、
インパクトの最大化を優先するソーシャルスタートアップ。

彼らは、サービスや製品が提供される
顧客や、その周辺環境の変化にフォーカスを当てているため、
必ずしも自社製品の売上や、営業利益といった数値の変化だけで
自分たちの事業の成否を測ることができません。

もちろん、売上や利益も重要な指標に変わりは無いのですが、
それだけではステークホルダーからの
「それで社会がどう変わったの?」という問いに応えるのは難しいのです。

よく考えてみると、そもそも、ある製品やサービスが、
当事者あるいは、その周囲の環境にどのような変化が起こったか?
そして、それに対して自社の提供したサービスや製品はどれだけの効果を出したか?


を正確に計測するのは、かなり難しいことだと思います。

そういう意味で、ソーシャルスタートアップの
社会的インパクトを目指して行われる社会課題解決型の事業は、
新しい価値基準や、その指標を開発する取組でもあり
実は、とても新しい挑戦の領域だとも言えます。

もちろん、これは課題領域によっても事情は異なります。
教育分野などは、効果が現れるまでに時間がかかったりするけれど、
例えば明らかに衣食住が足りていない人々への、サービス提供は
その効果が比較的説明しやすいといった違いです。

が、いづれにせよ、少なくとも、
ソーシャルスタートアップの皆さんはつねに
「それによって、社会がどう変わるんですか?」
というステークホルダーからの問いにさらされ続けているのです。

これに対しての回答を見出すところから、
ソーシャルスタートアップの挑戦は始まっているのです。

以上


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