2016年5月25日水曜日

いま革新的な提案が求められる「市場の失敗」領域とは?スサノヲ過去選考をふりかえって

スサノヲプロジェクトも4期採択応募受付中

さて、これまで1~3期の選考をつうじて
約160件以上のソーシャルスタートアップ予備軍の方々に
ご応募をいただき、直に話をきいてきました。

そんななか、緊急度がたかく、自体も深刻ながら
いまだ革新的な解決策が見出されていない「市場の失敗」領域が
いくつか見えてきたので、それらについて簡単にご紹介します。

関心がある方がいれば、
ぜひスサノヲを通じてチャレンジしてみませんか?

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1、難病患者のみなさんを支える仕組み
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2015年時点で指定難病として306種が対象とされ
150万人の患者さんがいるとされているそうです。

しかし、ひとつひとつの病気にわけると
患者数は数百~万にとどかない単位と少なく
医師も病気の存在自体を知らなかったりするそう。
結果、病気かどうかもわからないので、
家族や友人からも「やる気がないだけ、思い込み」
などと揶揄されたり、だんだんと孤独になっていく。

もとめられているのは例えば患者同志がつながる仕組み
あるいは患者の症状とその治療方針が共有される仕組み。
ただし、各難病ごとには患者会などの活動もあるが、
それらを包括した取組で、かつ付加価値の高いものは
まだ設計されていないとのこと。

難病患者むけのサービスだが、
あらゆる少数派をエンパワーするプラットフォームに
なるやもしれないと考えています。

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2、組織でなく個人を中心とした働き方の新提案
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あらゆる分野の専門職たとえば演劇、看護や介護、
プログラマーなどの労働環境の改善についても
効果的な打ち手が見当っていないらしく、
さまざまな取組みのアイデアが持ち込まれています。

「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」
というNRIさんのショッキングなレポート以降、自分の仕事や
会社との向き合い方を考えるヒトも多くなってきたと思います。
人間にしかできないクリエイティブな仕事の重要性が増すなか
一方で、職人やアーティスト、スポーツ選手などのほとんどは
一流でなければ、それだけでは食べていけないといった状況も。

組織やシステムを中心にかんがえると、どうしても個は埋没し
いち機能としての役割を求められるようになります。

そこで、いま求められているのは
社会や組織を中心とした従来の「機械論」的な働き方をこえた
個人の特性と才能の社会全体での最適配分と
価値を生みだすための構造化仕組みだと感じています。

すでにクラウドソーシングは注目されていますが、
よりリアル(デジタル化できないの)技術とリアルな製品や
サービスの組合せには、なお遠い状況。

たとえば「いろどり」の取組みのように
個々人の仕事と、マーケットの新しいつながりをデザインする。
そういったアプローチがあらゆるジャンルで求められています。

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3、高齢者が活躍する社会との関わり方の提案
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75才以上の高齢者が増えることが
家族や地域社会、行政の負担として捉えられ続けられています。

近い将来、総人口は減少するなかで
75才以上の高齢者は2000万人を超えていく。
4人に1人が75歳以上の超高齢社会がくるとされています。

そこで、身体の自由が効かなくなり日常生活に
支えが必要になった方々が(正確には40年後の私自身が)
高齢のまま社会やコミュニティを支える側にまわることは
必要不可欠だと思われます。

すでにテクノロジーをもちいて健康の維持や
身体能力の補助拡張などで、肉体的なハンディを
補うといったアプローチは行われている。

それらとは別にスサノヲ的には、
関係性を再構築するようなアプローチについても
検討をしていければと考えています。

たとえば「教育」の担い手として高齢者が活躍する社会。
地域の中で孤立している出産後の女性たちや、子どもたちが
居場所と学習の機会を得るといったアプローチもアリかも。

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4、家族・コミュニティのカタチの再提案
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上記のどれとも関連する課題だと思いますが、
あらゆる地域や分野において家族やコミュニティの
形態が定義自体の進化が求められていると感じています。

たとえば
薬物依存症患者さんや、犯罪歴のある方、
あるいは外国籍の方や、親に捨てられた子どもたち
そういった方々の抱えつづけている問題の本質に
「安心感のある他者とのつながりの欠如」が共通
していることが見えてきました。

これまでは
血縁上の家族が、社会において一般的にはその
「安心感のあるつながり」の基盤として役割を果たしてきた。
しかし、現代のように個々人の生き方が多様になり、
かつ外部環境の変化が激しく不安定になってくると
親や子供、兄弟、近所のひとに頼れるという方ばかりではないのです。

シェアハウスなどの普及も本質的にはこういった
「家族やコミュニティの再定義」アプローチだとは思いますが、

しかし、社会的に一度ハグレてしまった方々に
再び「安心感のつながり」を提供する仕組みは
圧倒的に不足しています。

ーーー
2につづく

以上


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